轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おそろしきつや

恐しき通夜

海野 十三

「新青年」1931(昭和6)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,092 字 · 30 页

青空文庫

筋書どおりにチャンスが向うからやって来るまで、なんの積極的な行動もとらなかった。

軈てチャンスは思いがけなく急速にやって来た。というのは、B子がその夫君と四五日間気拙い日を送った。その動機は、僅かの金が無いことから起ったのだった。その次の日は、彼女の夫君が出張に出かけることまで僕のところには解っていた。B子夫人はその日、某デパートへ買いもののため、彼女の郊外の家を出掛けたが、その道すがら突然アパッシュの一団に襲われたのだった。小暗い森蔭に連れ込まれて、あわや狼藉というところへ飛び出したのが僕だった。諸君はそのような馬鹿なことがと嗤うかもしれないが、B子夫人も普通の婦女とおなじく、この昔風な狂言暴行を疑いもせで、泪を流して僕に感謝したばかりか、記念のためというので、奇妙な彫の指環まで贈物として僕によこしたじゃないか。そのとき僕は、『御主人には黙っていられた方がいいですよ』と云うことを忘れなかった。心に空虚のあったB子夫人が、その胸に如何なる夢を描いたことやら、また其の夫君が出張にでかけた翌日、偶然のように訪ねていった僕をどんなに歓待したか。女なんか、新しがっても、本当は古い古いものなのさ」