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おそろしきつや
恐しき通夜
海野 十三
「新青年」1931(昭和6)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,092 字 · 30 页
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第二話 星宮理学士の話
そいつを見ることが、ああ、せめてもの娯しみだ。吠えろ、喚け、竹花中尉!』
熊内中尉の計画は見事に効を奏したのだった。儂があの時覗いた竹花中尉の『死』への反発『生』への執着に腫れあがった相貌は、あさましいというよりは、悪鬼のように物凄いものだった。さすがの儂も眼を蔽った。やがて気がついてみると、二機は互に相手の胴中を噛合ったような形になり、引裂かれた黄色い機翼を搦ませあい、白煙をあげ海面目懸けて墜落してゆくのが見えた。それが遂に最後だった。戯れに恋はすまじ、戯れでなくとも恋はすまじ、そんなことを痛感したのだった。儂は、あの日のことを思い出すと、今でも心臓が怪しい鼓動をたてはじめるのじゃよ」
そう云って川波大尉は、額の上に水珠のように浮き出でた油汗を、ソッと拭ったのだった。丁度その時、時計は午後十時のところに針が重ったので、三人はその儘、黙々と立って、測定装置の前に、並んだのだった。
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第二話 星宮理学士の話
「さて僕には、川波大尉殿のような、猟奇譚の持ち合わせが一向にないのだ。といって引下るのも甚だ相済まんと思うので、僕自身に相応した恋愛戦術でも公開することにしよう。