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かいていごじょうほう
改訂御定法
山本 周五郎
「文藝朝日」朝日新聞社、1962(昭和37)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,422 字 · 58 页
直衛は静かな口ぶりで反問した、「おまえたちはめしを食うのに、箸を使うか指を使うか」
岡倉は伴れの四人と眼を見交した。
「それは、――」と岡倉が用心ぶかく云った、「物によっては指で摘んで喰べることもあるでしょう」
「めしを喰べるのに、ときいているんだ」
「それとこれとなにか関係でもあるんですか」
「訴えられた人間を呼び出さずに裁きをしろというのは、客の面前で箸を使わずにめしを喰べろと云うようなものだ、たとえ侍たりとも、不正無道なおこないがあれば訴えることができると、御定法にはっきり示されている以上、矢堂を呼び出さずに裁きはできない」
「それはそうでしょうが」と岡倉は直衛の言葉を遮って云った、「あなたは御定法の改新には反対だったのでしょう」
直衛は相手の眼をするどくみつめながら云った、「それを覚えているなら、おれがどんな裁きをするかも想像はつくだろう、もし想像しなかったのなら、これから想像してみるんだな」
そして彼はそこをはなれようとしたが、ふと振返ってかれらを見た。
「ひと汗ながしたいんだが」と直衛は云った、「誰か相手にならないか」
岡倉がすぐに「私がお相手しましょう」