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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
な歌をうたいながら通りすぎます。そういう景色が、どれもこれも、三人の少年にはなつかしくてたまらないのでした。
三千トンもある黒い支那通いの船の次には、その半分ほどの大きさの、全体を黄色くぬった、外国の貨物船らしいのが、横づけになっています。見上げますと、その高い甲板のはしに、一人の西洋人の水夫が腰かけて、足をブランブランさせながら、煙草をすっていましたが、下を通る三人の少年を見て、ひょいと挙手の礼をして、にっこり笑って見せました。三人も思わず手をあげて、にっこり笑って、それにこたえましたが、そんなことが、少年たちの気持を一そうウキウキさせるのでした。
もう家へ帰ることなど、すっかり忘れて、どこまでも白い道をあるいて行きますと、黄色い汽船の次に、それよりは又少し小さい黒い貨物船がいて、その次には、今までの船よりはずっと小さい、めずらしい型の帆船が横づけになっていました。
帆はすっかりおろしてありましたが、帆桁のいくつもついたマストが三本立っていて、その頂上からたくさんの綱が、蜘蛛の巣のように張ってあって、縄梯子のようなものもかかっています。そして、帆船のくせに、その船の真中には、細い烟突が一本ニューッと突出ているのです。