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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
眼鏡猿やパンの木に味をしめて、また何か見つけたいものだと、道もない森の中を、奥へ奥へと歩いて行きました。
はじめの内は、気味がわるくて、ほんの森の入口だけしか入らなかったのですが、このごろでは、もうなれてしまって、少年達はかなり奥深いところまで、平気で入りこむようになっていました。
頭の上には高い木が枝をかわして、日の光もささないくらいですから、森の中は夕ぐれのようにうす暗いのです。足の下には落葉が一面につもって、まるでごみ箱の中でも歩いているような気持です。
何かめずらしいものを見つけようと、夢中になって歩いているうちに、ふと気がつきますと、いつのまにか、一度も来たことのない森の奥へ入りこんでいました。
これはいけない。道にふみまよっては大へんだから、早く帰ろうと、海岸と思う方角へ歩きはじめましたが、その時はもうおそかったのです。行けば行くほど森がふかくなって、どうしても見おぼえのある場所へ出られません。保君は深い森の中で、とうとう道に迷ってしまったのです。
泣き出しそうになりながら、無我夢中で歩いていますと、ふと五六メートルむこうに、何かが動いているのに気づきました。