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ぎじんのすがた

日本の怪談

田中 貢太郎

田中貢太郎『日本の怪談』。同一底本的分册已合并为一书。收入:義人の姿、宝蔵の短刀、村の怪談、猫の踊、幽霊の自筆、狐の手帳、貧乏神物語、怪僧、庭の怪、八人みさきの話、一緒に歩く亡霊。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 56,030 字 · 115 页

青空文庫

土佐邸には孫八を知っているものもあった。で、その書類がほんとうに孫八の書いたものであるかないかを詮議したがはっきり判らない。そこで、孫八と関係のある女が住吉に住んでいると云うのでその女を呼びだした。

女は不審しながら来た。役人は女の前へ彼の書類を差しだした。

「この文字に見覚えがあるか」

女はそれを受取ってずっと読んだ後に泣き仆れてしまった。

「その書類は、薩摩の船が、遠州灘で、孫八の幽霊と云うものに頼まれたと云うて、届けて来たものじゃが、たしかに孫八の手に相違ないか」

「たしかに孫八殿に相違ございません」

女はそう云ってまた泣いた。

底本:「日本の怪談」河出文庫、河出書房新社

1985(昭和60)年12月4日初版発行

底本の親本:「日本怪談全集」桃源社

1970(昭和45)年

入力:大野晋

校正:地田尚

ファイル作成:野口英司

2000年5月30日公開

青空文庫作成ファイル:

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