轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
尾崎士郎『早稲田大学』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「早稲田大学」凡例、早稲田大学、早稲田大学について、風蕭々、学校騒動。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,204 字 · 220 页
警護の巡査を同乗させた黒塗の馬車が二台、砂塵を捲いて吹きつける風の中を鶴巻町の大通りに高く車輪の音をひびかせながら大隈邸に向って走ってきた。
邸内へ入って、正面玄関の前で馬車をおりたのは意外にも時の総理大臣と、農商務大臣の黒田清隆である。朝が早いので応接間にはまだ一人の訪客もいなかったが、大隈は二人の来訪を知るとすぐ大書院の横にある私室にとおし、綾子夫人に命じて酒肴の用意を整えさせた。
来たるべきものはついに来たのである。大隈はその数日前から伊藤の女婿、末松謙澄を通じて新内閣に外相として入閣することの下交渉をうけていたが、伊藤の計画では彼の内閣を総辞職する前に閣僚一部の改造を行い、時機の来たるを待って黒田に譲ろうというもくろみであった。大隈は民意に順応して自ら責を負うべき伊藤が、たとい一ヶ月にしても二ヶ月にしても居坐るというのは憲政の常道にはずれているという意見を固執してゆずらなかったが、末松謙澄は伊藤の留任は国内的な意味ではなく、今まで条約改正問題で交渉をつづけてきた諸外国に対して日本政府の面目を保つ必要から、一時伊藤内閣を存続させる形式を残しておいて、いよいよ大隈案の成立した時に黒田にゆずる段どりであり、従って黒田内閣の使命が条約改正問題解決を主眼とするかぎり、大隈なしには絶対に組閣のゆるされぬ性質