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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
尾崎士郎『早稲田大学』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「早稲田大学」凡例、早稲田大学、早稲田大学について、風蕭々、学校騒動。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,204 字 · 220 页
それほど早稲田は陽気であり、野放図な楽しい学校であった。それが外見的には第二義的な印象をあたえるのは、政治においても文学においても体系を持っていないからである。早稲田的性格は額ぶちのない絵のようなもので、どこかに形のゆがんだ、間のぬけたところがあり、ロシヤ文学の影響にしても、十九世紀の文学史を骨骼とする時代的認識の上に立つものではなくて、時代と時間から遊離したゴーゴリであり、ドストイエフスキーであり、アルチバアセフであり、トルストイであり、チェホフであり、否、そのゴーゴリやドストイエフスキーにしてさえも、作家全体の骨組ではなく、作品の系列からきりはなされた「死せる魂」であり、「鼻」であり、「悪霊」であり、「桜の園」であり、それ等の感情の流れが、何の淀みもなく生活の中に混入してゆくところに、早稲田的性格がかたちづくられていったと解釈することもできるであろう。文学的な伝統から言えば、私たちの時代を置きざりにして、高等学院から出発した尾崎一雄、丹羽文雄、石川達三、井上友一郎、田村泰次郎、寺崎浩というような才華絢爛たる一聯の空気によって次の時代が築きあげられ、それから今日の戦後的傾向に推移してゆくもののようであるが、学校からはなれて一般民衆の生活感情の上に反映する早稲田的性質は、むしろ一種の傍系ともいうべき高田