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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
在线阅读山本 笑月《明治世相百話(めいじせそうひゃくわ)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 128,862 字 · 251 页
お笑い草の花見風俗
売りなどの跋扈時代となり、市区改正や交通整理で縁日も追い追いに邪魔もの扱い。
別格の呼び物は植木屋の一群、盆栽は巣鴨染井、朝顔は入谷、菊は大菊ばかりで本所請地が本場、盆栽の上物は薬研堀の不動、銀座の地蔵、神楽坂の毘沙門、花物は神田の五十稲荷、下谷の麻利支天、歳暮の梅は西河岸の地蔵、各所の年の市などがそれぞれの売り頭、途方もない掛値が通り物で気永に押問答。そんな悠長な時代も去って今は正札付きが多く、売手も客も世話なし。
お笑い草の花見風俗
今は見られぬ百鬼夜行の市内
花の都を賑わした花見風俗も、その取締りとせち辛い御時節とで全く形なし。明治の中頃までは踊の師匠や町内の若衆、八笑人そのままの剽軽な連中が、目鬘やボテ鬘で思い思いの道化姿、花の場所はもちろん、市中到るところ百鬼夜行の図はいまどき見られぬ珍風景。
一番の人出は向島、枕橋を渡ると花の世界で目鬘売りや花かんざしの立売りが並ぶ間を、三囲から白鬚、遠くは木母寺まで肩摩轂撃、土手際にはよしず張りの茶店、くわいの串ざしや、きぬかつぎを売り物に赤前垂が客を呼ぶ。その雑沓を押し分けて仮装の住吉踊や赤垣源蔵、おかる勘平、あるいは鳥追い、巡礼姿、大津絵の按摩さんまで続々繰り込む。