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めいじせそうひゃくわ

明治世相百話

山本 笑月

在线阅读山本 笑月《明治世相百話(めいじせそうひゃくわ)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 128,862 字 · 251 页

青空文庫

甘党随喜の名代汁粉

評判ではまず眉唾もので、あまり化かされに行くお客もなかったか、二年ぐらいで代が変り、せっかくの名物いっこう知られず。

この狸汁の主人公は国芳門下の画工一侠斎芳延、本名は松本弥三郎。茶気満々の商売に似ず、師匠の向うを張って二の腕まで立派な刺青のあった江戸ッ子肌、力はないが平素侠客をもって任じ、往々失敗。生来、狸を愛して自然と狸の画に妙を得たくらい、狂歌にも手を出して狂名が遊狸庵つづみ、そのほか水中の虫を集めてアメンボやコガネ虫と仲よく遊んだという変り者、二十三年に名古屋で歿した。

つぎは公園花やしき横町にあった珍物茶屋、門口に薄よごれた白布へ「珍物茶屋、釈迦六」と書いた小旗、奥の小座敷に赤毛氈、えたいの知れぬ下手物を並べ、なにがしかのお茶代にありつく趣向、大石良雄討入りの呼子、大高源吾の鎗印、乃至は何代目高尾の櫛笄、紀文の紙入れなど途方もない珍物。主人もいささかその仲間でいが栗頭の痩男、実は魯文門下の木崎某、号を弥陀垣阿文、釈迦六がその通称とは釈迦も阿弥陀も御存じあるまい。

甘党随喜の名代汁粉

砂糖の味を食べ分けた下戸

甘党の随喜した汁粉の味、明治時代には名代の汁粉屋も多く、それぞれ自家特製の持味に御膳、田舎、小倉、塩餡乃至は白餡の上品まで口当りのよさ、ことに蓋を取った時のその匂い、ほんのりと特有の香味、煮抜き