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めいじせそうひゃくわ

明治世相百話

山本 笑月

在线阅读山本 笑月《明治世相百話(めいじせそうひゃくわ)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 128,862 字 · 251 页

青空文庫

これが舟板べいの妾宅や花柳界、大店の奥向など当時の有閑マダムを上得意にしてちょっとオツな商売。

稗史小説も追い追い明治物が新刊され、幼稚な石版画のボール表紙も目新しく、安物の兎屋本を始め、大川屋、辻岡、文永閣、共隆社、鶴声堂あたりの出版元から発兌の新板小説がようやく流行、洋紙本の荷も重く、同時に草双紙や読み本のお好みも減って、背取りの貸本屋はボツボツ引退、代って居付きの貸本店が殖え、三十年前後まで市中諸所に貸本の看板、まだ大衆娯楽の少なかった時代、退屈凌ぎはこれに限ると一時は貸本大当り。

明治になって合巻風の草双紙を初めて活版本にしたのは高畠藍泉の『巷説児手柏』、十二年に京橋弥左衛門町の文永閣から出版、以来続々活版本の新刊、貸本屋向きは通俗の講談速記や探偵実話などで、五寸釘寅吉やピストル強盗の類に人気集中、薄汚れた厚紙の上表紙をつけたこれらの貸本は引っ張りだこで借りて行く。

当時上野以外に図書館もない、随って学術参考書専門の貸本店も、神田本郷には数軒あった。学生相手に教科書や参考書、あらかじめ若干の保証金をいれておいて、返せば借覧料を差し引いてくれる便利な簡易図書館、名は忘れたが小川町五十稲荷の後ろにあった貸本屋は、この種の大店ですこぶる繁昌、二十二、三年頃には我々も足繁く通ったものだ。