轻松读懂日语经典作品
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ほんじょみぞれがし
本所霙河岸
山本 周五郎
「婦人倶楽部」大日本雄辯會講談社、1939(昭和14)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,115 字 · 24 页
「聞えたって構わん、手を放せ」
「放すから鎮まれ、秋山!」
千之助は相手を羽交締めにした。
「貴公の頼みは承知した、しかしここで騒いではお嬢さんに聞える、こんなところをお見せしてはいけないのだ、温和しくしてくれ」
「ええ放せと云うのに、くそっ」
泥酔している力で、ぐいと身を捻ると、千之助の腰に差していた脇差の柄に手が触れる、そのままぎらりと引抜いた。
「危い! 秋山――」
驚いて千之助は跳退いた。
秋山省吾は脇差を手にしたまま、よろよろとよろめいて道場のまん中へ坐りこんだ。――鶴七の店で鳶の者たちから危く手籠めにされようとした、あの時のままの、尾羽うち枯らした姿である。
「ほほう、良い物を差しているじゃないか」
省吾は脇差を見ながら、
「町道場の代師範などには勿体ないぞ横井、百両貸すのが厭ならこれをもらって行こうか」
「いけない! 秋山、それは先生から頂いたものだ、金は都合をする、いますぐと云われても困るが今夜のうちには半分でもなんとかする、だからここはいちど温和しく帰ってくれ」
「逐出そうというのだな、御免蒙る」
省吾は脇差を投出して、
「きさまが代師範ならおれだって代師範だ、別に先生から破門された訳ではないんだぜ、三年と約束した修業が五年に延びただけの話だ、これだけの門人、以前の倍もある道場、――こいつをきさま独りに