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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
04 第四部
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 178,724 字 · 355 页
」とか、「多数の日本人は、今では政党の腐敗にこりて、官僚政治や軍人政治を歓迎しているようだが、今にきっと後悔する時が来るだろう。」とか、また、「教育の軍隊化は教育の自殺だと思うが、教育者自身の中にかえってそれを喜んでいる者がある。それは、規律という口実の下に、生徒を安易に統御することが出来るからだ。」とか、そういった意味のことを、熱心に説いてきかせた。しかし、そうした話は、道江にはむろんのこと、次郎にも、まださほど痛切には響かなかったらしい。
知事や校長をはじめ、諸先生や生徒たちのこともちょいちょい話題に上った。馬田の噂が出たのはむろんである。次郎は、自分から馬田のことを言い出すのを控えていたが、徹太郎が「馬田ってどんな人物だい。」とたずねたのをきっかけに、思いきり彼をこきおろした。そして最後にとくべつ力をこめて言った。
「最も軽率なストライキの主張者は馬田です。朝倉先生を慕う気持なんか微塵もないくせに、はじめっからわいわい騒ぎまわっているんですが、それはストライキをやるのが面白いからなんです。こないだの委員会の時も、あいつが真先になってストライキを主張していました。