轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

04 第四部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 178,724 字 · 355 页

青空文庫

「おうい、次郎君――。」

大沢の愉快などら声が、そのとき池の向こうからきこえた。

「おうい。」

と、次郎の答えも元気でほがらかだった。

「もうかえるぞうっ――」

「ようし、すぐ行く――」

五人は間もなく家に帰ったが、次郎は、恭一と道江が暗くなった道を、おりおり並んで歩くのでさえ、今はさほど苦にならなかった。

俊亮は、ちょうど朝倉先生あての手紙を書き終えて、お祖母さんが一人で涼んでいる座敷の縁に出たばかりのところだった。手紙は宛名を墨書して座敷の机の上にのせてあったが、それは俊亮の手紙にしてはめずらしく分厚なものだった。

みんなはすぐ俊亮をとりかこんだ。しかし、誰も、さっきからの課題のことを言い出すものがなかった。それは、次郎の問題をお祖母さんにきかれてはまだ悪いだろう、と察したからであった。すると、次郎がだしぬけに、

「僕、朝倉先生にこんな話をきいたことがあるんです。」

と前置して、ミケランゼロの話をし出した。そして、話し終ると、それについてべつに説明や感想をのべるのでもなく、ただ真剣な顔をして、じっと父の顔を見つめていたが、しばらくして思い出したように言った。