轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

「夕刊大阪新聞」1934(昭和9)年8月7日~12月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,496 字 · 368 页

青空文庫

(が、この際に松明をつけて、人が洞の中にいるということは、俺にとっては幸せだ)

その松明の持ち主は、いずれは窟外へ出るだろうから、その火について行きさえすれば、自分も洞外へ出ることが出来る。

こう思って安心はしたのであった。

(まず何者か確かめることにしよう)

――で、足音を忍ばせて、三十郎はそっちへ歩いた。

松明の主は二人であった。

(や、兵庫と右内とだわい)

三十郎はギョッとしながら思った。

その二人がやはり明暦義党の同志の、鵜の丸兵庫と五十嵐右内――その二人であったからである。

(では、彼らもこのお蔵の秘密を、俺と同じように知っていて、それで探しに来たものと見える。充分警戒しなければならない)

で、三十郎は近寄ろうとはせず、二人の後からついて行った。

兵庫と右内とは岩壁の面へ、石筆で記しをつけながら、しずかに先へ進んで行った。

四筋あるという洞の口の、南の側の一筋から、二人は入り込んで来たのであった。

最初の二人の目的は、この洞窟の北側の口(それがこの洞の正面なのであるが)そこを占領しているという、山男のような多数の人間の、何者であるかを取り調べ、場合によっては追い払ってやろう。