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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
「夕刊大阪新聞」1934(昭和9)年8月7日~12月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,496 字 · 368 页
で、二人はそっちへ進んだ。
道はますます降りになり、そうして枝路が少なくなった。
そうして枝路のあるところには、いつも骸骨が立っていて、手が一方を指さしていた。
二人は顔を見合わせて云った。
「変ですね、何かありますね」
「何か意味がありそうです」
こうして二人は骸骨に導かれて、下へ下へと降りて行った。
と、道が行き止まりになり、頑丈な鉄でつくられている扉が、二人の正面に立っていた。
また二人は顔を見合わせた。
そうして思わず微笑し合った。
こんなところに扉がある。では魚屋の財宝が、この扉の奥にあろうもしれないと、そう思ったからであった。
そこで二人は松明をかざして、仔細に扉を検査した。
長い年月を経ていると見えて、鉄扉には錆が行き渡ってい、磨滅したようなところもあった。巾四尺高さ八尺、それぐらいはありそうであった。
蝶つがいになっていたが、鍵穴らしいものは見られなかった。
二人の心持ちは非常な期待で、昂奮状態になっていた。
四辺に人などいない筈だのに、四辺に人がいるかのように、声を忍ばせ、呼吸を詰め、あえぐように囁くように話した。
「いよいよ目的地へ来たようですわね」