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かがくブームへのくげん
科学ブームへの苦言
中谷 宇吉郎
「文藝春秋」文藝春秋新社、1959(昭和34)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,269 字 · 24 页
ただ一つ問題は、このプルトニウムで、アメリカが原爆をつくったら、日本が間接的に、アメリカの原爆製造に協力することになる。この点は、原爆の被害国として、国民感情上、到底同意することができないという議論が出てきた。
それで日本政府は、プルトニウムの買い戻しには賛成するが、それを米国でも、平和目的以外には使わないと保証してくれ、という注文をつけた。ところがアメリカの方には、その意味がよく通じない。この動力協定は、既にトルコ、ブラジルその他の国と結んだ協定と同じ内容のもので、国際的な標準規定であるから、日本だけを除外例とする理由がわからないというのである。ワシントンの国務省での第一回交渉のときには、米国側から「いったい日本は濃縮ウランが欲しいのか、欲しくないのか、どちらであるかを明らかにしてくれ」と聞かれて、返答に困ったそうである。
しかしやっと先方にも日本政府の立場が了解され、買い戻したプルトニウムは、平和目的以外には使わないという、アイゼンハワー大統領の覚書をつけることになった。本当のところは、先年の覚書を確認したわけであるが、話の本筋としては、同じことである。