轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かがくブームへのくげん
科学ブームへの苦言
中谷 宇吉郎
「文藝春秋」文藝春秋新社、1959(昭和34)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,269 字 · 24 页
専門外のことであるから、そのいずれであるかは知らない。しかし科学の本質から考えて、「いくら少量でも」などと言い切ることは、非常にむつかしい。生命現象は非常に複雑であって、現在の科学で手の届かないところが沢山ある。カロリーさえあれば栄養がとれると思っていたら、ビタミンが出てくる。ビタミンで充分と思ったら、ミネラルが必要ということになる。近年は同位元素の利用で、牧草中のコバルト含有量が、一億分の四以下になると、牛は食慾を失って死ぬというようなこともわかった。化学分析にはかからない微量のものが、生命を支配するのである。夢にも考えなかったことが、つぎつぎと出てくる。そして今後も出てくるであろう。「いくら少量でも」とか「絶対に」とかいう言葉は、よほど自信の強い科学者でないと使えない。
ところで、それほど自信があるのなら、同時に、放射能温泉地に、国民保健施設をつくることなどにも反対すべきである。人体に害のあるところに、税金を使って、施設をつくり、大勢の国民を、そんなところに誘うことは、どう考えても可笑しい。「いくら少量でも、放射能は有害」という記事と、「○○ラジウム温泉に××保健施設きまる」