轻松读懂日语经典作品
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わらうあくま
笑う悪魔
野村 胡堂
「ロック」筑波書林、1948(昭和23)年12月~1949(昭和24)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,687 字 · 55 页
秘書の本田大助、書生の高山昇など、精一杯にそれを喰い留めましたが、ニュース陣の強力な活動は、そんな事ではどうにもならず、その際に花房一郎は、所轄署の警部と千種十次郎だけをつれて、美保子の傷を養って居る部屋に逃げ込むのが精一杯でした。
「少し位は話しても宜いでしょうか」
寝台の側に居る看護婦に、花房一郎はそっと耳打しました。
「何分の重傷ですから、お調べはなるべく二三日経ってからの方が宜かろうと――先生は仰しゃいましたが」
中年者の老巧らしい看護婦は、何やら承服し難い顔をして居ります。
小さいがよく纏まった大部屋で、クリーム色の勝った壁紙も、新しい寝具も、何んとなく清々しい感じです。
「いえ、――少し位なら大丈夫お話が出来ます。お調べはお急ぎでしょうから」
美保子はパッチリと眼を見開きました。向う側の椅子から、妹の容体を気遣って潮田春樹は物言度げに立ち上りましたが、美保子はそれを押し切って、何やら言ってしまい度い様子です。
「では、ほんの少し、前後の様子だけでも話して下さい、――少しでも早く知って置き度い事ですから」
「ハイ」
「第一、あなたとお嬢さんの奈々子さんと二人あの部屋に帰って来た時、後ろから誰か跟いては来なかったのですか」