轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こうばいつきげ

紅梅月毛

山本 周五郎

「富士」大日本雄辯會講談社 、1944(昭和19)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,869 字 · 32 页

青空文庫

「そのとき深谷どのの乗っておられたのは名馬だったそうですね」若侍のひとりが下座のほうからそう訊ねた、「たいそう珍しい毛並だったそうですが」「あれは紅梅月毛というのだ」渡辺弥九郎がひきとって答えた、「月毛というのは元来はつきという鳥の羽色からきたもので、今の鴇色のちょっと濃いのをいうのだが、深谷のはそれに紅をかけたような毛並だった、いまそこで云うように鷲津との一戦はみごとなものだったが、あの馬がまたとびぬけて良かった、こう突っ込んでいってのしかかった時のすがたはまるでそのまま敵を呑んでしまうかと思われた」「それでその馬はどうしたのですか」「惜しいことに深谷が鷲津対馬のしるしをあげているうちにそれてしまった、あれなどは正しく名馬というべきだったろうのに、残念なことをした」

はなしはひとしきり紅梅月毛に集った。それは半之丞が慶長五年二十二歳のとき関ヶ原の合戦に乗った馬で、かれはその戦に兜首二級のほか十余騎を討ち、当日の功名帳では上位につく手柄をたてたのであるが、馬は流弾にでもやられたものか、戦場の混乱のなかへそれたまま戻らずじまいだったのである。「いや、あれは名馬ではなかった」