轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おちばいき

落ち梅記

山本 周五郎

「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1949(昭和24)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,748 字 · 61 页

青空文庫

静かな、しかし退屈な日が経っていった。禁固だから外部との交渉は許されない、起居にも厳しい規律があるのだが、この家の扱いは極めて鄭重だった。食事はもちろん身のまわりの細かいことまで、殆んど客の接待をするかのようにゆき届いていた。おそらく康継のほうから内命でもあったのだろう、ときには主の靱負が来て話していったりした。――国許でも江戸邸で検挙があるとすぐ、松崎頼母、平川佐太夫、小田切弥三郎、久保源右衛門らが城内に禁固され、その腹心の者二十余名も大目付へ拘束されたということ。また新しい重職のうち公郷半三郎が家督して次席家老に就任し、兼ねて奉行目付支配に命ぜられたということなど、すべて靱負のさりげない話から知ったのであった。

季節は秋になり冬へと移った。

ひとつの騒動ともいえるこの種の出来事は、幕府に摘発されるとうるさい問題になる。金之助にはそれがなにより気懸りだったが、康継の室が老中で羽ぶりのよい堀田氏の出であるのと、その方面への周旋が機を得たためか、幸いなんの関渉も受けずに、済むようだった。

霜月なかばになった。いつもならもう雪になる筈であるが、気候はあと戻りをしたように暖たかく、権現山では何十年ぶりかで桜がかえり咲きをしたなどという噂が立った。