轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页

青空文庫

という本があるでしょ。読みましたか? あんな生活はたのしいだろうな。」

羽村は小さい貧しい村である。家も粗末な家ばかりだ。それでも養蚕期には少し実入があるらしい。初めて羽村の駅に下りて、畑の中に桑の根っこを見、まだ雪の消えずに残っている山脈を見た時には殺風景にも思った。また土地の人の口の悪いのに、喧嘩腰で話しているようなのには驚いた。気性の荒いところかとも思ったが、そうではなかった。暮してみて私の心に触れてきた貧しさには柔かさがあった。私は思った。貧しい人の心には決して貧を卑しむ気持がないということを。その頃介山居士が「隣人之友」に書いた詩の一節に「平なる野と空とを見つ」というのがあったが、羽村はただそれだけの奇もない平凡な貧乏村である。しかし平なる野と空と、そうして多摩の流があり、好い青葉期を持つ村の貧しさは平明なものだ。それは人の心を荒くしたり鋭くしたりするようなものではない。子供が明るくのびのびしていて、土地の気風に貧を卑しむところのないのは自然だと思う。東京をわずかしか離れていないのに、すでに言葉も鄙びていて、その土地の気風を存しているのが、私にはゆかしい気がした。