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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页
ほかに朝刊だけ取っている家があるので、組み合わせると二軒で一軒分の割になるのである。また組合わせが都合よく行かなかった場合でも、どっちか、半ばになった紙を所謂「おどり紙」として活用すればよかった。その頃既に用紙の制限があって、読者拡張用のサービス紙は本社から送ってよこさなくなっていたのである。私は配達の帰りなどにこの駄菓子屋に寄って、近所の子供たちとあてものの籤を引いたりした。あるとき婆さんが云ったのである。「新聞やさん。すまないけど夕刊だけ入れてもらえないかね?」「それはどうも有難う。夕刊だけでも、朝刊だけでも配達しますよ。」と私は云った。その隣りは経師屋であった。この家は固定読者であったが、私はおやじさんともおかみさんとも懇意にはならなかった。けれども中学校の下級生で美少年の息子とは親しく口をきく仲であった。一体に美少年には利かぬ気で口の悪いのが多いようであるが、この子もそうであった。私が「常盤座の切符をやろうか。」とジャンパーのポケットに手を入れて思わせぶりな様子をしたら、「くれよ。くれよ。」と飛びついてきて、嘘だとわかると、「インチキ。新聞やのじじいのインチキ。