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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页

青空文庫

の女主人公を彷彿させるものがある。私は徴用になって配達をやめてしまってから、しばらく振りで妹に逢ったことがあるが、病いはこの子をも蝕んでいた。花の貌は歪められていた。痛々しい気がした。若しも養女という身の上が真相であるとすれば、なかなかに不憫な気がする。この煙草屋の隣りは、ここの町会の消防ポンプの置場になっていた。黙然とポンプが控えているだけで、番人などはいなかった。ポンプは新聞を読まないから、ここは素通りである。隣りはスタンドであった。場所柄朝帰りの客のために簡単な朝飯も食わせる、そんな店であった。私がこの店をお得意にしたのは、配達になってから半年ほど立ってからであったが、勧誘の際ここのおかみは、「そんなに頼む、頼むなんて云うもんじゃありませんよ。可哀そうになっちゃうじゃないの。」と云った。なかなか承諾しなかったのだが、遂にうんと云ったのである。外剛内柔、大根はやさしい人なのである。母親によく似たキューピーのような顔をした娘がいた。母親の躾であろう、素人娘のようで、家業の水に染まったようなところは少しも見えなかった。その隣りは帽子屋であった。主として学生帽を製造販売していた。