轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页
僕は父のために檜舞台と喝采が欲しいのではありません。(ああ、もしその喝采をきくならば、僕はどんなに嬉しいことでしょう)ただ、芸のことと、己の道のことにつき、父の心に自若たるものを望むのです。芸のことと、己の道のこと、それはまた僕の行手にある問題なのですから。ここにフィリップの言葉があります。「芸術家とは、つねに自らに耳を傾け、自分の聴くことを自分の隅っこで率直な心で書きつける熱心な労働者なのだ。僕は、自分の思いどおりの木靴を作るために働く村の木靴工と、人生を自分が見るがままに物語る作家との間に、差別を認めない。」こういう言葉は僕を励ましてくれます。父の芸の道に於て、僕には父をどう輔けようもなく、そのことを思うと、いつも淋しい気持にとらわれます。
僕はこの頃思うのです。僕達兄弟の中で、誰よりも僕が一番父に似ている、と。かく云えば、おそらく家の者や知人の顰笑を買うことでしょうが。また僕は思うのです。僕達兄弟の中で誰よりも死んだ母に似ているのは、僕だと。僕の眼が死んだ母の眼に似て怖いということ、これはふだん誰もが口にしていることです。これらはみな、なにがなしにそう思うのです。