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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页
僕は眼を惹く限りのものに眼を止めては、調和ある心を得ようと努めるのですが、僕の朴歯の歩みは依然としてぎごちないのです。
影は妹のごとくやさしく
幸福が私と肩を並べて歩いた。
ああ、親しい心の時よ。心のうちにこの詩を呪文のごとく唱えつつ、僕は慰まぬ散歩を続けて行くのです。
先生、ふと口をついて出たようなこの詩を僕は好きなのですが、どうお思いですか? 誰の詩だか御存知ですか? 首をかしげている先生の顔が見えるようです。この詩は、さあ、誰の詩だと云ったらいいでしょうね。「影は妹のごとくやさしく」これは「侘しすぎる」の清吉がふと思い出て口ずさむ文句なのです。「幸福が私と肩を並べて歩いた」これはヴェルレエヌの詩の一行です。「侘しすぎる」を読み、この句を見出して、清吉のようにこれをくりかえし、くりかえししていたら、僕の心にヴェルレエヌの詩が思い浮んだのです。僕は二つの句を並べて口ずさんでみました。「影は妹のごとくやさしく」誰の云った句かは知りませんが、こう並べてみると、ある心持が感ぜられますね。「いい句だ、ほんとうの淋しさにあった人の云った句だ。」と清吉は思うのですが、「幸福が私と肩を並べて歩いた」