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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页
ね、そんな気がしないかね。しかしもう歌留多の解説は止めにしよう。そうそう、君にうってつけなやつが一つあった。御披露しよう。僕いま云うから、忘れないように、ノートにでも書きとめて置くといいよ。」
彼女は神妙にノートを開いて万年筆を控える。ふん、女なんて甘めえや、自分のことだというとすぐ情熱的な眼つきをしやがる。
「は、鼻から提灯、というんだ。」
一瞬ぎくっとしたようだが、すぐ勝気な眼色を見せ、それでも笑いを失わず、たんとお嬲りなさいといった表情をする。
「嘘だよ、冗談だよ。誰がそんな、君をそんな人だと思うものか。それは僕、いや小山なんだ。小山はそんな男なんだ。いつも鼻から提灯をぶらさげている感じなんだ。ともかく眼の前の山盛りを二人で征服しちまおうじゃないか。」
「ええ、おいしいですわ。」ともう無心な顔になって、「でもよくお芋がありますわね。」
「千葉まで買出しに行くんだよ。」
「まあ、先生も買出しにゆかれるのですか。大変ですわね。」
「中野から千葉行の電車が出るので便利がいいんだ。まあ一日がかりだね。一度に七、八貫は背負って来るよ。」
「やっぱり男の方ですわ。」