轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页

青空文庫

その人が瀬多屋の主人であったと私は記憶してきている。東京駅から自動車で家に帰った。それが私が自動車というものに乗ったことを記憶している最初である。電車通りを行ったことを覚えている。自動車には出迎えにきてくれた年寄の女の人が同乗していた。それは祖母だったらしいのだが、その後祖母と一緒に暮すようになってから、私にはどうもその年寄が祖母とは別の人だったような気がしてならなかった。その日は旗日で、家の玄関の前に国旗が掲げてあったのを覚えている。私の家は吉原遊廓のはずれの俗に水道尻という処にあったのだが、検査場(吉原病院)の方から太鼓の音のようなものが聞えてきて、私はそれを気にして久し振りに帰ってきたわが家の玄関を頻りに出たり入ったりしたようである。

東京に帰ってきてからも、しづやはしばらく私の家にいた。なかやという兄の子守もいたが、なかやはしづやよりも早く暇を取ったようである。兄と私はその頃根岸にあった幼稚園に通った。私の家から廓外へ出るには、検査場裏の裏門が近かったが、そこは昼間は締まっているので、私達は幼稚園へ通うのに、京町一丁目の番屋を抜けておはぐろ溝に架かった刎橋を渡って竜泉寺町へ出た。