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やぶのうぐいす

藪の鶯

三宅 花圃

「藪の鶯」金港堂、1888(明治21)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,356 字 · 65 页

青空文庫

こうなって見ればはやいものだ。洋行中にはいろいろの咄しもあろうし。君のことだから学術上には発明の説もあろうから。お尋ね申しゆっくりお聞き申したいと思っていたが。尊大人のとかくおすぐれなさらないので。御混雑の様子ゆえはばかりまして御無沙汰サ。

斎藤「僕も同様。しかし昨今はいかがでござります。

篠原「僕もご同感さ。君輩のごとき同窓の友を会して。ゆるゆるお咄しがしたいけれど。親父があの様子ゆえ。外へも出られない始末だから。おもうようにはいかないのサ。二三日跡からめっきり様子がいいから。今日お誘い申したのサ。

宮崎「御洋行中は毎度御書を下さいましたが。例の筆無性で三度に一度の御返事もあげませんでしたが。僕が東京の現況を新聞体にて御報道致した御返事に。日本人はメスメリズムにばかされた人のように。西洋人の指先次第。いろいろなまねをするとの御論でしたが。伺っていた御持論とは大層ちがいました。世の人は洋行すると西洋好きになるが。君には嫌いになったのかと。お知己の人たちは怪しみました。

篠原「なるほどお怪しみもござりましょう。僕が五年の洋行で得るところ。とはちと大げさのようだが。