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やぶのうぐいす
藪の鶯
三宅 花圃
「藪の鶯」金港堂、1888(明治21)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,356 字 · 65 页
アーなんだか咄しが理に落ちたじゃアないか。
男「ムーン。サア行こう。ヤアヤアなんだか書きちらかしてある。発句かネ。
紅葉みにくる人もみな赤い顔。
アハハハハ。くだらないことを。こういうところには和歌はまれだネ。
篠「まち給えヨ。あすこにおちているが和歌かしらん。おや鉛筆でもきれいにかいてあるヨ。
いたずらに散りやはつらん紅葉も。まことの色をみる人のなみ。
へんに慷慨な歌だネエ。どんな人がかいたのかしらんが。歌はイイネ。実に高尚ないいものだ。
男「おばアさん。こりゃアどんな人がかいたのかしるまいネエ。多い中だから。
婆「どれでござります。アアそれは大方今十五ばかりのお坊さんと。一しょに休んでおいでなすった。お嬢さんのでございましょう。
篠「エ女……。なるほど女の手のようだ。これやア貫之風だ。しかし歌というものは実に美術の一つで。なくっちゃアならないものサ。このごろの西洋家は玩弄物のようにいう人もあるそうだが。実にそういうものじゃアない。そうして歌をよみつけると。簡短に意味の深い文章がかけてくるし。幾分か気が高尚になる。一体女学校なんザア。和歌の一科をいれてもいいのサ」