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あかいカブトムシ
赤いカブトムシ
江戸川 乱歩
「たのしい三年生」講談社、1958(昭和33)年4月~1959(昭和34)年3月
N4 · 入门 · 新字新假名 · 23,237 字 · 47 页
」
でんわをかけますと、やっぱりそこに、一本スギという、高いスギの木があることがわかりました。
そして、五月二十五日午後三時に、小林くんたち五人のだんいんが、一本スギのある原っぱへやって来ました。
五人というのは、小林だんちょうとユウ子ちゃんと、木村敏夫くんと、それから、だんいんの中でいちばん力の強い井上一郎くんと、野呂一平くんでした。一平くんは、ノロちゃんというあだ名で、おくびょうものだけれども、すばしこくて、よく気のつく子でした。
「一本スギのてっぺんからはいれって、どういういみだろう。」
小林くんがくびをかしげていますと、ノロちゃんが、とんきょうな声で、
「きっと、てっぺんにあながあいているんだよ。そこからはいるんだよ。ぼく、のぼってみようか。」
といって、こしにまきつけていた長いなわをほどき始めました。
ノロちゃんは、木のぼりのめいじんで、きょうは、スギの木にのぼらなければならないだろうと思って、そのよういをしてきたのです。
ノロちゃんは、なげなわもじょうずでした。その長いなわを、くるくるとまわして、ぱっとスギの木の高いえだになげかけました。そして、一方のはしを、自分のからだにしばりつけ、一方のはしを、みんなにひっぱってもらうのです。