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あかいカブトムシ
赤いカブトムシ
江戸川 乱歩
「たのしい三年生」講談社、1958(昭和33)年4月~1959(昭和34)年3月
N4 · 入门 · 新字新假名 · 23,237 字 · 47 页
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さあ、そのカブトムシを出しなさい。」
男は、にゅっと手をつき出しました。
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ユウ子ちゃんは、まほうはかせにうまくだまされて、赤いカブトムシのかくしばしょを見つけられてしまいました。
そこは、さびしい原っぱですし、あい手はおとなのまほうはかせ。こちらは、小さい子どもですから、どうすることもできません。とうとう、ルビーのカブトムシを、とりあげられてしまいました。
「さあ、こんどは、きみたちがさがす番だよ。わしが、このカブトムシを、ふしぎなばしょへかくすからね。うまく見つけ出してごらん。
は、は、は、は……。かわいそうに、なきべそをかいているね。よしよし、それじゃ、かくしばしょのひみつを、きっと、きみにおしえてあげるよ。まっているがいい。」
まほうはかせは、そういって、どこかへたちさってしまいました。
それから三日めの、おひるすぎのことです。ユウ子ちゃんが、うちのにわであそんでいますと、赤いゴムふうせんが、空からふわふわとおちてきました。
どこかの子どもが、ふうせんの糸をはなして、空へとび上がったのが、力が弱くなっておちてきたのでしょう。
ユウ子ちゃんがそう思って、赤いふうせんをじっと見ていますと、やがてそれは、すぐ目の前のじめんにおちました。