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あかいカブトムシ

赤いカブトムシ

江戸川 乱歩

「たのしい三年生」講談社、1958(昭和33)年4月~1959(昭和34)年3月

N4 · 入门 · 新字新假名 · 23,237 字 · 47 页

青空文庫

7

つなひきみたいに、みんながなわをひっぱると、ノロちゃんはそれを力にして、ふといスギのみきを、するするとのぼっていきました。

そして、下のえだまでのぼりつけば、あとは、えだからえだへとつたっていけばいいのです。

ノロちゃんは、とうとう、スギの木のてっぺんまでたどりつきました。

そして、しばらくそのへんをさがしていましたが、

「なんにもないよう。あななんて、どこにもあいていないよう。」

とさけぶ声が、はるかにきこえました。これは、どうしたわけでしょう。

「てっぺんからはいれ。」といったって、あながなければ、はいれないではありませんか。

ノロちゃんは、五分ほども木のてっぺんで、じっとしていましたが、やがて、なにを思ったのか、とんきょうな声で、

「わかったよう。あれだよう、あれをごらん。」

とさけんで、原っぱの一方をゆびさしてみせるのでした。そこには、たいようの光をうけて、一本スギのかげが、長々とよこたわっていました。

みなさん、ノロちゃんは、いったいなにに気づいたのでしょうか。

7

こんどは、少年たんていだんが、ルビーのカブトムシをさがす番でした。

五月二十五日午後三時二十分、一本スギのてっぺんからはいれ。