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あかいカブトムシ

赤いカブトムシ

江戸川 乱歩

「たのしい三年生」講談社、1958(昭和33)年4月~1959(昭和34)年3月

N4 · 入门 · 新字新假名 · 23,237 字 · 47 页

青空文庫

ヘリコプターはまた、おそろしい風を起して、とび上がっていきます。原っぱにのこったノロちゃんと木村くんと、ユウ子ちゃんは、手をふって、それを見送りました。

小林くんと井上くんは、はじめてヘリコプターに乗ったのです。うちゅうりょこうにでも出かけるような気持でした。

ヘリコプターは、高い空を、せいどうのまじんがとびさった東の方へ進んでいきます。

ふりむくと西の空は、まっかな夕やけでした。やがて、日がくれるのです。そのときのよういに、そうじゅう室には、小がたのサーチライトがそなえつけてあります。

せいどうのまじんは、風にはこばれていったのですから、風のふく方へ追いかければよいのです。こちらには風のほかに、プロペラの力があります。きっと、追いつくことができるでしょう。

やがて、夕やけもきえ、見る見るあたりが暗くなってきました。空にはいちめんに、星がまたたき始めました。ちじょうには、いなかの町のでんとうが、これも星のように、ちらほら見えています。上にも星、下にも星、ほんとうにうちゅうりょこうです。

「あっ、先生。あそこに、なんだかとんでいますよ。」

小林くんのさけび声に、ぱっとサーチライトがてんじられました。