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あかいカブトムシ

赤いカブトムシ

江戸川 乱歩

「たのしい三年生」講談社、1958(昭和33)年4月~1959(昭和34)年3月

N4 · 入门 · 新字新假名 · 23,237 字 · 47 页

青空文庫

小さい女の子の声のようです。

ふたりはぞっとして、たちすくんだまま、かおを見あわせました。

「ゆか下からきこえてきたようだね。」

小林くんが、くびをかしげながらいいました。するとまた、

「あれっ、いけないっ。早くたすけて。」と、かすかな声が……。

「どこかに、かくし戸があるにちがいない。どこだろう。」

小林くんは、かいちゅうでんとうをてらして、へやじゅうをさがしまわりました。

そのへやには、大きなだんろがついていて、そのだんろの下がわに、まるいぼっちが、ずっとならんでいます。かざりのちょうこくです。小林くんは、そのぼっちを一つ一つ、ゆびでおしてみました。すると、右から七ばんめのぼっちが、ちょうどベルのおしボタンのように、うごくことがわかったのです。小林くんは、それをぐっとおしてみました。すると……。

ガタンという音といっしょに、「あっ。」というさけび声。びっくりしてふりむくと、いままでそこにいた木村くんのすがたが、きえうせていました。

小林くんはびっくりして、そこへかけつけました。すると、ゆかいたに、四かくいあながぽっかりとあいていることがわかりました。