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わたしのしごと しょうこうのしごと

青帛の仙女

上村 松園

上村松園『青帛の仙女』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私の仕事 松篁の仕事、わが母を語る、明治懐顧、昔尊く、古い記憶を辿って、芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を、冷かされた桃割娘、日本画と線、土田さんの芸術、栖鳳先生を憶う、随想、三味線の胴、今日になるまで、芸術三昧即信仰、砧、北穂天狗の思い出、寛政時代の娘納涼風俗、女の顔、想い出、帯の巾が広すぎる、大田垣蓮月尼のこと、絵筆に描き残す亡びゆく美しさ。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,693 字 · 68 页

青空文庫

その年の暮、ただ一人の私の姉は嫁ぐことになりまして、何かとそれまで我儘に暮しました私は、母と二人きりになったのでした。なにしろ母もまだ若く、私も二十にならぬころのことでございますし、その上、さきの四条通とはちがいまして、夜になると早々店を閉めるといった極めて静かな場所、それに昨日までいた姉もいず、随分と心細い思いをしたことを今も覚えています。それに母と二人のことで手は足らず、朝起きると表を開け、戸をくり掃除をし、台所へ行って七輪に火をおこしてお茶を湧かすといった順序で、姉がした分も何かと加わってきたわけでございました。始めの間は、何だかどっと一度にたてこんできたように思われ、そのなかであわてたものでございましたが、その時、私は何でも始めの用意をきちんと整えておかんことには、後前が狂って、せないでもいいあわてかたをやるのだと気づいたのでした。

それからは、火を七輪に起こしますにも、まずさきにカラニシをしき、しいたら柴をきちっと揃えておき、揃えたら炭をちゃんと側へおき、それからスリギをすって硫黄につけてカラニシにつけるように、始めからちいんとそれらのもの一切を揃えてからかかることにしたのでした。