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わたしのしごと しょうこうのしごと

青帛の仙女

上村 松園

上村松園『青帛の仙女』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私の仕事 松篁の仕事、わが母を語る、明治懐顧、昔尊く、古い記憶を辿って、芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を、冷かされた桃割娘、日本画と線、土田さんの芸術、栖鳳先生を憶う、随想、三味線の胴、今日になるまで、芸術三昧即信仰、砧、北穂天狗の思い出、寛政時代の娘納涼風俗、女の顔、想い出、帯の巾が広すぎる、大田垣蓮月尼のこと、絵筆に描き残す亡びゆく美しさ。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,693 字 · 68 页

青空文庫

カラニシと申しますのは、前夜の火の残りを火消壺に入れて消しました極めて軽い、炭のことでして、すぐ火になるものでございます。それだけにすぐ灰にもなりやすいものでございますが、火になると同時にその上に、かた炭を工合よくおきますと、極めて速やかにおきますし、随って手間どらず何の雑作もなく茶も早く、ちいんとわきます。それを何の順序も用意もなくしますと、やれスリギだ、やれかた炭だ、やれ薬罐だとその度に立ち動いている間に、カラニシはもとの灰となって、又もとの始めからやり直さねばならぬといった始末、私もそれと気づくまでは、随分とそうしたことを繰り返したものでございました。

全く、何事によらず、その順序を逆えずに要るものを最初に順に並べて置いてものごとをいたしますと、経済にもなり、順序が誠に具合よくいきまして気持ちもちいんとしずかに落ちつき、そして具合よく迅速に、その上気持ちよく仕事が終るわけでございます。

これと申しますのも、或は火事にあいまして、火の怖さを知り、火の大事さを覚え、それがいつか火を七輪におこしますとき私に火を丁重に扱わせたのでございましょうが、それからというもの、私は何事によらず、凡てを七輪の場合のように致しまして、随分とそれまでの無駄なことをせずにすますことができた次第でございます。