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たましいのあえぎ
魂の喘ぎ
大倉 燁子
「宝石 二巻一〇号」1947(昭和22)年11月、12月合併号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,081 字 · 20 页
帯止の金具類が掻き廻わしてある、この小さい手形は公高に違いない、悪戯もこうなると念が入り過ぎているので放ってもおけず、それかといって家人の思惑もあるので、人に知れないように土蔵前へ連れて行き、よく訊いてみると、公高はいつか近所の小母さん達――、お神さん達と仲好くなっていて、その人達に唆かされ、大分私の持物を引出していることがわかりました。
無断で人の物を持ち出すのは泥棒と同じことだとよく説諭しました。彼はしょげ返って涙をこぼしながら首を垂れていました。こんな幼い者をおだてて貴重品を捲き上げるなんて罪悪だと私は憤慨し、小母さん達というのが憎くなり、公高が可哀想でなりませんでした、罪は彼女等にある、彼には何の罪があろう。今後の事もあるので密かに小母さんの一人を訪ね、罪のない子を罪に陥すようなことになるからもし欲しいものがあるなら、何でも上げますからこれからは直接私に交渉してくれと頼むと、彼女は非常に立腹し、飛んでもないことを仰しゃる、若様から頼まれるのでお断りも出来ず、仕方がなしに必要もないのに買って上げているのに文句をつけるとは何事だ、御大家と思って遠慮していればつけ上って、と逆捩です。