轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

作者――江戸川乱歩氏曰く「キング」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年8月号<br>黄金仮面「キング」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年9月~1931(昭和6)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 143,357 字 · 287 页

青空文庫

いくら年寄りでも、こんな場合には、少々神経過敏にならないではいられぬ。

それが証拠には、隣りの寝室で、カタリと何かの物音がしたのさえ、聞逃さず、若しやドア一重向う側に、あの黄金仮面が潜んでいるのではないかと、女子供の様な、臆病千万な妄想をさえ起すのだ。

イヤ、妄想ではないぞ。賊は人の出入りのはげしい玄関にでもいたのだ。敵と狙う名探偵の室内に、潜伏していないと、どうして断言が出来よう。そう云えば、何だか、寝室の中に人の気配がする。確かにそうだ。あすこにあいつがいるのだ。と思うと、何だかいきなり逃出したい様な気持になる。

自然尾形老人の目は、寝室との境のドアに釘づけになっていたのだが、ふと気がつくと、そのドアがジリジリと、少しずつ開いているではないか。妄想がそのまま形になって現われて来たのだ。老人ながら、彼はギャッと叫び相になったのを、やっとのことでこらえた。

ドアが一寸二寸、容赦なく開いて来る。と見ると、その隙間からギラギラと目を射る金色の光。アア、果して果して、黄金仮面だ。あいつが隠れていたのだ。

思わず椅子から腰を浮かして、廊下の方へ逃げ出そうとする老人の目の前に、ドアがパッと開いて、全身まる出しになった怪物の姿。