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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 頁
しかし、彼もさる者、寄手の弱点は、充分見ぬいている。
先頃から、半兵衛を説客として、何度も使いに立ててみたが、それゆえに、樋口三郎兵衛は、頑として会わない。
――たとえ日頃は親友であろうと、敵味方と戦場にわかれた以上、会う必要は毫もない!
そう城門の塀ごしにいわれるのみで、もう五、六遍も追い返された。
さて、そこでである。
女には除外例がある。いかなる猛者も優しく扱う気になる。わけて殺伐な戦場ほどなお、効果は大きい。
「――ひとつ、某女が兄半兵衛と共に参って、そこの頑な敵の城門を叩いてみるのだ。よいかの。真心をこめて訪れるのだ。……そして、樋口三郎兵衛が、あわれと心をうごかして、城門をひらき、半兵衛を迎え入れてくれたら、もう事は半ば成就したようなもの。――後は半兵衛の胸三寸にまかせておけば足る」
こう話し終って、藤吉郎は、
「どうじゃ、やさしい役目であろうが」
と、微笑んだ。
於ゆうは、謹んで、
「よく分りました。一心になって致して参りまする」
と、命をうけた。
「戦場の兵糧というものは、まだ喰べたことがあるまいが、馳走して遣わそう。――これ、これ、時刻はちと早いが、ゆうに夜食をつかわせ」