輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 頁

青空文庫

「あれが八相山、宮部ノ郷、小谷から横山まで三里のあいだを、鹿垣、柵をもって遮断すれば、敵の出ずる道はもう一方しかありません」

藤吉郎はつぶさに説明する。さながら自分の庭園の設計を説くようにである。

幅三間の軍用道路が横山まで通った。城へ迫って五十余町のあいだ高い牆壁を作ってしまった。そして渓流の水をせき入れて、道路の安全をはかる一方――持久戦の腰を示した。もろもろの防寨などもすべて、半永久的に築いたのである。

こうしたら敵も決戦に出てくるに相違ない。

と、計ったのである。

だが、智者のはかりも外れることがある。自己の廉恥と気もちでひとを考えた時である。浅井父子は、いよいよ朝倉の外援をたのむのみで、自身から討って出ることはしなかった。

しかし信長は、それ一策を恃んではいなかった。兵家にはかならず変通がある。かれは、俄然、鉾を転じて、木ノ本を衝いた。――越前軍へ急襲したのである。

八月十三日、その日、織田軍の手にあげた首級だけでも、二千八百余級。

十四日、十五日も、逃げくずれる敵を追って、梁ヶ瀬から田神、田部、引田などという部落部落を、残暑に乾ききっている夏草の野を、血しおで黒くするほど駈け捲くした。