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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 頁

青空文庫

尊林坊と一鉄とは、旧交のある仲だった。その誼みとして、降伏をすすめに来たのである。

「何かと存ずれば、友人として冗戯も程になされい。――降伏を乞いに来たのかと思うたゆえ、会見をゆるしたのじゃ。われわれに降伏して出ろとは、なにをばかな! かくの如く気の立っておる中でござるぞ。たわ言も、首と相談で申されたがいい。あはははは」

尊林坊が、肩をゆすぶって、哄笑すると、他の法師武者たちは、殺気を眼に燃やして、一鉄の唇もとをねめつけていた。

先方に、いわせるだけをいわせておいてから、一鉄は、徐ろに口を開いた。

「大師伝教が当山をひらかれたのは、王城の鎮護、国土安泰のためと承知いたすが、甲冑をまとい、剣槍を羅列し、政争に関わり、武略を弄び、朝命に反く兇兵に与して、王土の民を苦しめよとは、よも天台の立願ではあるまい。とはいえ、一山の大衆もまた、われわれ武臣も、いずれか皇土の臣でないものはない。かくの如き争乱は、みな宸襟を悩まし奉るものである。――大悟せられよ、僧は僧に帰命せられよ。速やかに、浅井、朝倉などの徒を、山より追い下し、各※(二の字点、1-2-22)には武器をすてて本来の仏弟子に返られい」