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みんげいよんじゅうねん

民藝四十年

柳 宗悦

線上閱讀柳 宗悦《民藝四十年(みんげいよんじゅうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 182,248 字 · 368 頁

青空文庫

もし彼らが雑器でなかったら、決して「大名物」とはなり得なかったであろう。人はあの「井戸」の茶碗を省みて、七個の見処があるという。後にはついにそれが美の約束とまで考えられた。だがもとの作者にそれを聞かせたら、如何ばかり困却するであろう。その約束で作られる後代の模作品に、たえて優れた作がないのも無理はない。既に雑器の意を離れて、美術品として工夫されたに過ぎないからである。人々はあの深く渋き茶器が、無造作な雑器であったことをゆめ忘れてはならない。

今は茶室を造るにも数寄をこらすが、その風格は賤が家に因るものであろう。今も田舎家は美しい。茶室は清貧の徳を味わうのである。今は茶室において富貴を誇るが、末世の誤りを語るに過ぎぬ。今や茶道の真意は忘れられて来たのである。「茶」の美は「下手」の美である。貧の美である。

史家もあの「大名物」を讃美する。だが少しも他の雑器については語らない。さながら他には何もないかのように考えている。だが茶碗や茶入は夥しい雑器の中のわずか一、二種に過ぎない。美の王座についているそれらのものの姉妹が、まだ限りなく塵の下に埋もれている。