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みんげいよんじゅうねん

民藝四十年

柳 宗悦

線上閱讀柳 宗悦《民藝四十年(みんげいよんじゅうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 182,248 字 · 368 頁

青空文庫

八

この世で美しいと誇るものが、どんなにしばしば醜いであろう。

それ故美の問題も、美醜のことにその問題を止めてはならない。もう一つ溯って美醜の未だ分れない境地から、この世界を見なければいけない。美か醜かで判じるような物指に、どれだけの力があろう。そんなもので計り得るものを、ゆめ美しいと呼んではならない。真の美しさとは「畢竟浄」なのである。仏教ではこの境地を「無」というのである。無にまで深まっていないものを讃えるべきではない。美醜は有相のことに過ぎない。有難いことに人間は、元来有相にいるものではない。それ故本分においては無垢なのである。穢濁は吾々が造作した罪の跡に過ぎない。臨済は「但造作すること莫れ」と教えた。美も醜も共に醜に染まる、造作に止まる限りは。だが思い過ごしてはならない。無造作に執するなら、新な造作である。楽茶碗の如き、好個の例といえよう。強いて美しく作ってあるが故に醜さがどうしても残る。造作に滞れば醜さが現れないわけがない。

八

もし凡ての人々が本来清浄なものであって、美醜未生のものであるとするなら、人間の差違の如き何の躓きになろうか。常識はこういう、美の世界は天才を求めているのだと。