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みんげいよんじゅうねん

民藝四十年

柳 宗悦

線上閱讀柳 宗悦《民藝四十年(みんげいよんじゅうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 182,248 字 · 368 頁

青空文庫

二

いずれにも深い意味はあるが、前者はついに人間の帰趣を示さぬ。「寂」の仏教的理念こそ欧米人に大いに内省せられてよい内容があろう。

二

さて、東洋の一角を占める日本は、何を世界に寄与出来るか。色々の面があろうが、私の考えでは遠慮なく大いに輝かせてよいものに「日本の眼」がある。背後に充分な伝統をもった鋭利な眼力がある。これによって見抜く美への見方は大いに注目されてよい。

大体「西洋の眼」は「ギリシヤの眼」を源にする。指向する所は長い間「完全の美」であった。ギリシヤ彫刻はよくそれを語る。これは欧米の科学的理智にも合致するものであって、正確に割り切れる合理的な美である。西洋で写実性や遠近法が進んだのも合理性による。マンテニアの如き画家は東洋には見られぬ。かかる正確美を私は「偶数美」と総称したいのである。これに対し「日本の眼」が深く追ったものは「不完全の美」なのである。これを私は、「奇数の美」と名付けたい。この美の認識を日本人ほど深く追求した国民はない。

私はかつてカンヂンスキーの美論を読んだ事があるが、その中で日本語の「絵そらごと」という言葉をいたく賞めていた。