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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁

青空文庫

67 出陣

「そこにあるハンドルを、しっかりにぎっておれ」

「はい、これですね」

「そうだ。わしが命令したら、その盤の上にかいてある数字を見ながら、左へまわしてくれ」

「はい、わかりました。このハンドルをうごかすと、どうなります」

「それは、いよいよ火星へ上陸した時、この大空艇の扉をあけるためだ。扉をうまくあけないと、大空艇の内部と外部との空気の圧力がちがうから、大事な機械がこわれるおそれがあるからだ。だから、わしの言うとおり、うまくハンドルをうごかしてくれ」

「はい、わかりました。どうぞ……」

博士は操縦席について、しきりに計器類のおもてを見まわしながら、たくみにスイッチを切ったり、目盛盤をうごかしていたが、大空艇はだんだんと速度をゆるめ、ふわりふわりと、しずかに下へおりていくのであった。

白く光るのは、海面であろうか。そうして、その中に、象の鼻のように、ながくのびている、くろいものがある。それこそカリン岬であった。

「おい新田、はじめるぞ。用意はいいか」

「はい、大丈夫です」

大空艇は、そのあいだにも、どんどんさがっていた。大地だ。まっくろな大地であった。その大地が、もり上って来る。