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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁

青空文庫

34 火星兵団

一隻ではなかった。二隻、三隻、四隻……いや、数えているひまがない。おどろくべきたくさんの火星のボートは、百雷が一時に落ちる時のように、巨大な光と音とを立てて、空中から舞いおりた。雨と風とは、いよいよはげしさを加え、雷はしきりにあたりの山中に落ちた。

火星のボートと落雷と、どっちがどっちだかわからないような、恐しい光景であった。

「ああ――」

と、新田先生は、ため息をついて、全身を雨に打たれながら、もの陰にたたずんでいた。一体これからどうなるのであろうか。

34 火星兵団

大雷鳴の中に、山梨県の山中に着陸した火星のボートは、その数およそ五、六十隻であった。

これこそ火星兵団の敵前着陸だ。

しかるに、地球の人類は、この恐るべき兵団を、やすやすと着陸させてしまったのである。もっとも、誰がこのような火星兵団の襲来を、あらかじめ考えていたであろうか。

我が日本について考えてみても、これは全く意外な出来事であった。また、そうなるまでの事情はともかくも、いいことではなかった。我が日本は昔から、日本本土を敵に占領されたことはなかった。いくら地球外に住んでいる火星人の襲来だからといって、本土の一部を占領されたことは、決していいことではない。