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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁
22 怪動物
千二少年は、あまりいい気持ではなかった。
先に立って、懐中電灯を光らせていた新田先生が、この時、ふと足をとめた。
(おや先生が、立止った!)
と、千二は、すぐ、それに気がついた。
その時、先生の手が、千二の肩を、静かにおさえた。
(動いてはいけない。静かに!)
と、先生の手は、言っているようだった。
千二は、もちろん、動かなかった。そうして、これは何事かがあるのだと思ったので、耳をすまして、先生の合図をまった。
「おい、千二君。君には、聞えないかね」
新田先生が、千二の耳もとに口をつけて言った。この井戸の中のような階段にはいって後、始めてのことばである。
「えっ、聞えないか――とは、一体何が?」
千二は、自分の耳に、全身の注意を集めた。
「ああ、――」
千二は、その時、思わず、低く叫んだのであった。
何か、聞えるようだ。
気のせいかと思うが、そうではない。何だか、口笛を吹いているような音が、地底から、聞えて来るのだった。
「先生、僕にも聞えます。口笛を吹いているような音でしょう」
「そうだ」
先生のあつい息が、千二の耳たぶにかかった。
「おい千二君。あの音は、一体、何の音だろうね」