輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 頁
もとよりいかめしい武装のままである。
が、その鎧具足にかためている手や体が、すこしも窮屈そうに見えなかった。むしろさびた釜と茶碗としかないこの室にあっては、この老将の装束がひとつの華麗な道具にすら見える。
(よい者に会った……)
と、藤吉郎は心のうちで、茶よりも、それを歓んでいた。
――どうしたら城中のお市の方を助け出せるか。
この信長の悩みにたいして、彼も悩みを共にした。ここまでの攻略作戦には、もっぱら彼の智謀が用いられて来ただけに、その問題にも責任を感じていた。
いつでも陥そうと思う日に陥し得られるこの城だが、目的の珠玉を、焼けあとの灰のなかに掻き探すようなへたをしてはならない。
しかも城主長政は、もう内外に決死を宣言しているし、夫人も良人に殉じる覚悟でいるという。
四人の子まであるその夫人だけを、つつがなく奪取して、戦の成果もあげようということは、信長がむりな望みというほかはないのであるが――藤吉郎はその任務をいまは一身に負ってこれへ来ているのだった。
「……お使者、不点前でござるがどうぞ、お寛ぎあって」
三河守は、炉のまえから、茶わんをさし出した。