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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 頁
「寄手だッ。いで」
と、ふいに横を襲った。
赤尾新兵衛、浅井石見、そのほかの側臣や一族も、彼と前後して、敵へ当った。
焔の下。黒煙の中。
甲冑は鳴った。槍と槍、刀と刀とは、噛みあい、喚きあって、またたくまに死者と傷負のみが、大地にのこる。
城兵の大半は、長政に従ってみな存分に戦い、それぞれ華やかな死をとげたという。あとの半数は、傷負やら行方の知れぬものであった。捕虜となったものも、自分から降伏して出たのも、極めて少なかったというのを見ても、小谷の城の最期は、越前の朝倉や、京都の公方家のごときものではなかった。――彼を妹聟として選んだ信長の最初の眼は、決して誤ってはいなかったといえるのである。
――なお、その夜。
お市の方、また小さい子達を、戦火のなかから救出した藤吉郎と、藤掛三河守たちの苦心も、戦闘以上であった。
寄手が、もう一刻半も、彼の出て来るのを待っていてくれたら、やすやすと、城外へ連れ出されたのであるが、何分にも、本丸の館を出る時から、もう城内は火となり接戦となっていたので、四人の幼児を、護って出るだけでも、たいへんだった。
乳のみ児の末の姫は、藤掛三河守がよろいの上に背負い、次女の初姫は、傅役の中島左近が背に負った。